予備とは？/ スタッフィ
[ 116] 米大統領選：民主予備選を振り返る 失速と疲弊の５カ月 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)
[引用サイト] http://mainichi.jp/select/world/news/20080605ddm007030007000c.html
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５カ月間にわたる「死闘」が３日、終わった。米大統領選民主党指名争いは１月３日のアイオワ州をはじめとして各州などで計５６の予備選・党員集会が行われ、バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン両上院議員がすべてを戦い抜いた。全米を席巻した「オバマ旋風」と、本命クリントン氏の失墜。誤算、内紛、策謀、裏切りが渦巻いた史上空前のバトルの裏側を候補や側近の証言、米メディアの報道を通じて検証した。【ワシントン及川正也】 「（大統領選に出馬表明した）１５カ月前の真冬、アメリカを変える旅に踏み出した時、誰もこの日を迎えようとは予測していなかった。指名獲得は手の届くところまできた」 指名争いの初戦を飾ったアイオワ州党員集会から４カ月半後の５月２０日、オバマ氏は本命候補の地歩を築いた同州で「勝利宣言」した。 同じ夜、クリントン氏は予備選で勝利したケンタッキー州で「まだ誰も指名を確実にしていない」と食い下がったが、既に流れは「オバマ指名」で固まり、１１月本選へと動き出していた。 「戦い方がうまくいっていない。何か変化をつけないと」。ニューハンプシャー州予備選を翌日に控えた１月７日夜、アイオワ州での惨敗の影を引きずるクリントン氏は漏らした。陣営を立て直すため、人事刷新が急務とみられた。 だが、結果は「奇跡」の逆転勝利だった。７日には、涙をこらえるクリントン氏の姿がテレビで繰り返し放映されていた。「オバマ旋風」に代わって「ヒラリー復活」に全米が沸き、人事の見直しは見送られた。 「（アイオワ州の勝利で）調子に乗り、太陽の近くまで飛んで落ちたイカロスみたいだ。新参者の私にはいい薬になった」。９日朝、オバマ氏はギリシャ神話を引き合いに反省の弁を漏らし、陣営引き締めを図った。 長期戦を覚悟したオバマ陣営と、短期決戦に勢いづくクリントン陣営。２２州の予備選などが集中する２月５日の天王山「スーパーチューズデー」を前に、両陣営は異なる構えを見せた。「後の選挙戦を左右することになった」とクリントン氏の支持者は語った。 「あんなに集めたおカネはいったいどうしたの」。クリントン氏が激怒したのは「決戦」直前、イキース上級顧問と当時のドイル選対本部長が「テレビ広告用に資金を貸し出してほしい」と申し出た時だった。 クリントン陣営は０７年中に１億ドルもの選挙資金を集めていたが、台所事情は火の車だった。テレビ広告のコストが高い大票田州への集中投下で資金が枯渇したのだった。大票田州を総なめにすればオバマ氏を撤退に追い込める−−。こんな読みが裏目に出た。 スーパーチューズデーでは代議員数が１００人以上の６州のうち４州を制したものの、中小規模州を堅実に固めたオバマ氏は予想以上に手ごわかった。 結局、一般代議員の獲得数で２０人上回ったが、上下両院議員らから成るスーパー代議員を加えた総数では、オバマ氏に２２人のリードを許してしまった。 クリントン氏は重い腰を上げ、先送りしていた人事の見直しに着手したが、「中小規模州軽視」の温床となった大票田戦略の見直しは行われなかった。 オバマ氏への風向きが変わったのは３月。オハイオ、テキサスの連敗でつまずいた。クリントン氏は一転、持久戦を決め込んだ。 「オバマよ、恥を知れ」。激しい中傷を繰り返すクリントン氏は「挑戦者」の必死さをかもし出すと同時に、「私はファイター（戦士）」と連発。「強い候補」をアピールする戦略を徹底させた。 オバマ陣営のアクセルロッド戦略主任は「最悪な気分」とうなり、女性の政策スタッフが「ヒラリーはモンスター」と口走り辞任。オバマ氏が初めて直面する試練に陣営は焦りの色を濃くした。 オバマ氏が師事する黒人のジェレミア・ライト牧師の「反米・反白人」演説が動画サイトに流出し、追い打ちをかけた。支持率は急落。「労働者は銃や宗教に固執している」とのオバマ氏自身の発言も加わり、４月２２日のペンシルベニア州予備選は大敗した。ともにクリントン氏の強力な支持基盤である白人労働者層を敵に回す発言だった。 クリントン氏は自信を取り戻し、１日で１０億円を集め話題をさらった。危機感を募らせたオバマ氏は、「臆病（おくびょう）者」と呼ばれるのを覚悟のうえで、クリントン氏との討論会を拒否せざるを得なかった。 ５月６日のインディアナ、ノースカロライナ両州予備選。獲得代議員数でオバマ氏に水をあけられたクリントン氏にとって、負けることのできない戦いだった。勢いはクリントン氏にあるかに見えたが、ノースカロライナで大敗。インディアナも辛勝にとどまった。大手メディアは「オバマ氏で決まりだ」と判定した。 オバマ氏が土壇場で逆境をはね返せたのはなぜか。メディアはオバマ陣営の危機管理能力に注目する。スキャンダルのたび、大物スーパー代議員や撤退候補の支持表明を得てダメージの拡大を食い止めてきた経過がある。 黒人牧師の問題発言発覚（３月１４日）後のリチャードソン・ニューメキシコ州知事や、ウェストバージニア州予備選（５月１３日）大敗後のエドワーズ元上院議員の支持表明が典型的だ。特にクリントン氏の支持者だったリチャードソン氏の変節は強烈だった。「裏切り者のユダ」。クリントン陣営からの非難の声は、陣営が受けた痛手の裏返しだった。 ５カ月に及んだ指名争いで「オバマ旋風」は衰え、クリントン氏にも疲労感が漂う。アクセルロッド氏は「いろんな意味で衰弱するプロセスだった」と振り返り、米有力メディアのクリントン陣営同行記者は最終盤戦を「（太平洋戦争中の）バターン死の行進のようだった」と形容した。 シルク・ドゥ・ソレイユ日本初の常設シアター 初演目「ＺＥＤ」【特集】小栗旬が見たシルク・ドゥ・ソレイユ 毎日ｊｐ掲載の記事・写真・図表など無断転載を禁止します。著作権は毎日新聞社またはその情報提供者に属します。 |
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