法務とは?/ スタッフィ
[ 430] 検定試験情報 [ビジネス実務法務検定試験®]
[引用サイト] http://www.kentei.org/houmu/
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(運転免許証、パスポート、学生証、社員証など、原則として第三者機関発行で氏名・生年月日・顔写真が揃って確認できるもの) ※アンダーラインなどは「書き込み」に含みません。明らかに不正な使用を意識した文字による「書き込み」は禁止します。 ※受験票に「駐車場あり」「駐輪場あり」の記載会場を除き、試験会場への自動車・二輪車での来場はご遠慮ください。 他の人の代わりに受験する試験官の指示に従わない携帯電話・PHSなどを使用する録音機・カメラ・辞書などを使用する その他の不正行為解答用紙はすべて回収します。試験会場からの持ち出しは厳禁です。また、試験中一旦退席すると再入場は認められません。これらは不正行為とみなされますので、充分留意してください。 ビジネスにおいて業務のリスクを察知し、法的にチェックし、問題点を解決に導くコンプライアンス能力は法務部門に限らず、全てのビジネスパーソンにとって必要不可欠な能力です。そのための基礎となる実践的な法律知識を体系的・効率的に学ぶことができるのがビジネス実務法務検定試験®です。 ひとたび、企業の不祥事が発生すると刑事責任や損害賠償などの民事責任はもちろん、社会からも厳しいペナルティーを受けます。 今、多くの企業が「倫理憲章」や「企業行動基準」を策定し、企業自らが不正や不祥事を未然に防止するための活動を積極的に行っています。 ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる。(ビジネスパーソンとして最低限知っているべき法律実務基礎知識を想定) 企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家への相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している。(知識レベルとしてのアッパーレベルを想定) 業務上必要な法律実務知識をビジネス全般にわたって持っており、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断・対応ができる。(実務的対応能力としてのアッパーレベルを想定) 民法および商法を中心に、できるだけ全業種に共通して発生することが考えられる法律実務問題を出題します。 特定の業種に関連する一定の法律をクローズアップして出題します。法務実務の担当者が遭遇するであろうさまざまな場面を想定して出題します。例えば、以下の事例などにより実務対応能力を試験するものとします。 平成12年よりビジネス実務法務検定試験®の最上位級として1級試験を実施してまいりました。1級試験は2・3級のマークシート方式とは異なり、論述式で受験者のより高度な判断・対応が問われる試験です。1級試験に合格された受験者はもちろんのこと、不合格となった受験者についても得点上位者には1級合格に準ずる実力を有するものとして、ビジネス界において活躍されることが期待されます。この度、2008年度実施の第24回試験より、1級受験者のより幅広い活躍を支援するため、不合格者の得点上位者を1級合格に準じ、「準1級」として認定する制度を開始します。 企業活動に関する不祥事がマスコミを賑わせ続けているなかで、企業にとってコンプライアンスの重要性はかつてなく高まっています。会社法や独禁法、金融商品取引法など近年の相次ぐ法律改正は、規制の 概観だけでなく本質的な考え方の切り替えを迫るものです。企業としては単に法令遵守にとどまらず、企業に対する社会の期待に背かないよう法の精神から理解することが求められます。そのためには、詰め込まれた法律知識だけでは役に立ちません。 当社では、コンプライアンスについても、品質は工程で造り込むとの自工程完結を求めるトヨタ生産方式の考え方に則り、販売や調達など各担当機能において現場の目線から問題意識をもって課題を見つけ出すことを求めています。 「ビジネス実務法務検定試験®」は、企業法務はもとより、幅広いビジネスの現場で直ちに役立つ鋭敏な法律感覚と活きた実務能力を身につけるための基礎体力を測るうえで最適な検定試験であると考えています。 「企業法務を担当するようになり、業務上役に立つ知識が身につくと思ったのが検定試験挑戦のきっかけでした。企業法務という仕事は幅広い知識が求められます が、それらをまとめた教科書のようなものはなく、あちこちから情報を集めてこなければなりません。私は公式テキストを使用して勉強しましたが、公式テキストには役に立つ情報がコンパク 試験である以上合格することが最大の目標ですが、私は単に合格することだけではなく、テキストに載っている情報を業務に応用できるようにすることも目的として勉強しました。今でもテキストは会社の机の中にあり、辞書代わりに使えるようにしております。また、仕事で案件を担当するとき「ああ、あれのことだな」というゆとりをもって臨めるようになりました。法務を担当していない方で 今後の目標としては、知識だけでなく実務を通して経験を積み、上司や先輩に少しでも近づきたいと考えています。それには、やはり基礎となる知識の吸収が重要だと思います。現在1級の勉強をしていますが、その他の資格にも挑戦し積極的にスキルアップを図っていきたいと思っています。 消費者Aは、自宅にB社の販売員Cの訪問を受けて宝石を購入した。Aは、宝石の購入に際し、Cから、その宝石がダイヤモンドであるとの説明を受け、それを信じたが、実際にはダイヤモンドではなかった。この場合、Aは、消費者契約法に基づいて本件売買契約を取り消すことができる。 Aは、B社の販売員Cに街頭で呼び止められ、Cに誘引されて赴いたB社の営業所で絵画(特定商取引法上の指定商品に該当する)を購入した。この場合、Aは、特定商取引法に基づいてクーリング・オフを行使し、本件売買契約を解除することができる。 Aは、勤務先にB社の販売員Cの訪問を受け、その勧誘により英語学習教材(特定商取引法上の指定商品に該当する)を購入しその引渡しを受けた。Aが、その学習教材を使用する前に、特定商取引法に基づいてクーリング・オフを行使し、本件売買契約を解除した場合、Aは、B社の費用で、その学習教材をB社に引き取らせることができる。 Aは、B社の店舗においてB社との間で、代金を1年にわたり12回の分割払いで支払う約定でテレビ(割賦販売法上の指定商品に該当する)を購入する契約を締結した。B社は、本件売買契約を締結した後、遅滞なく、割賦販売法所定の事項をAに明示しなければならないが、B社は当該事項を口頭で明示すれば足り、Aに書面等を交付することを要しない。 Y社は、X社との間の売買契約で、X社が自社店舗でY社製の掃除機αを消費者に販売する際の小売価格を指定し、Y社の指定した価格と異なる価格での販売を禁止している。Y社の当該行為は、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当することはない。 Y社は、Y社製の掃除機αのパンフレットを作成し、それをX社の店舗で配布している。そのパンフレットには、掃除機αは同等の価格・性能の他社製品に比べ、その消費電力が3分の1以下である旨が記載されている。当該パンフレットの記載について、Y社は、公正取引委員会から、期間を定めて、その裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められた。Y社が当該期間内に合理的な根拠を示す資料を公正取引委員会に提出しなかった場合、当該パンフレットの記載は景品表示法上の不当表示とみなされる。 X社は、1週間にわたる歳末大売出しを実施することとし、Y社に対して、商品の配置換え等の作業を行わせるため、当該大売出しの期間を含む15日間、Y社の雇用する労働者を店舗に無償で派遣することを要求した。これに対し、Y社は、要求に応じなければ今後の取引を停止する旨をX社から示唆されたため、やむなくこれに応じた。この場合、X社の行為は、独占禁止法上の X社は、定期的に実施する自社店舗の模様替えの都度、Y社に清掃等の要員として労働者を無償で派遣することを求め、Y社もその都度、要員計画に基づいて自社で常時雇用する労働者を派遣することが常態となっている。X社は、Y社から派遣を受けた労働者に対し、X社の労働者に対するのと同様に、担当する作業の分担やその遂行方法につき直接指揮命令をするととも 消費者Zは、X社の店舗でY社製の掃除機αを購入し、その取扱説明書の記載に従って掃除機αを操作していたところ、掃除機αが突然発火しZが火傷を負った。掃除機αの発火は、X社の従業員がZ宅に掃除機αを配送した際に落下させたことにより生じたモーターの故障が原因であった。この場合、Zは、Y社に対し製造物責任法上の責任を追及することができる。 部長、内部通報担当者殿宛として匿名の手紙が届いたので対応を打ち合わせたいのですが、よろしいですか。手紙には、「イ)当社の管理職が過大な交通費(電車賃など)を請求していたり、ロ)当社の役員が下請業者から便宜を受けてマンションを不当に安く借りたりしており、会社の内部統制に問題があり改善が必要である。2週間後に開催される定時株主総会においてこれらの点について説明せよ。説明がなければマスコミ等に情報を提供する。」と記されています。 総会前の嫌がらせかな。悪意に満ちた手紙のようで残念だ。法的な観点からポイントを押さえたうえで対応を考えることが重要だ。内部統制に問題があるとしているが、内部統制って、会社法や金融商品取引法で求められているものだよね。どんな内容だったかな。 会社法では「内部統制」という用語は用いられていませんが、その構築に関する規定があります。金融商品取引法には「内部統制報告書」についての義務規定があります。内部統制について、それぞれの法が求めている義務の内容、義務の対象となる会社、違反した場合の効果について説明しますと、次のとおりとなります。 手紙では、内部統制上の問題としてイ)とロ)の二つの事項が挙げられているが、仮にそれらの事実があったとしても、法的にみて内部統制上の問題となり得るのかな。大げさすぎるように思うが・・・。 当社では、交通費は自己申告に基づき管理職が承認して支払っています。領収証は求めていませんが、少額の精算なので合理的な処理といえます。役員のマンションの話は、仮にそのような話があったとしても、下請業者が営業上の配慮から当該役員に個人的な便宜を与えたもので贈物に近い性格のものといえると思います。いずれも違法とはいえないと思います。 株主総会で説明しろと記されているが、これらについて株主総会で説明すべき法律上の義務はあるか。 詳細な事実関係が記載されてないので、真偽を確認することが難しい状況です。匿名の手紙ですが、社内処理を知っている内部者からの手紙と推定されます。当社の内部通報に関する規則は、通報者に不利益を与えないことを約束するので必ず名乗るように規定しています。ルール違反の文書ですので、本件を取り上げなくても社内規則には違反しません。 こういった匿名の手紙を書くことは卑怯だ。受理しなかったという扱いとしよう。株主総会前はいろいろあるね。 (2)手紙で指摘を受けたイ)およびロ)について、仮にそれらが事実であったとすればいかなる法的問題があるかを検討したうえで、()の会話内容は法的にみて適切といえるか 手紙を受領して以降のXおよびYの対応には、コンプライアンス推進の観点からみていかなる問題があるか。問題と考えられる点をすべて挙げるとともに、コンプライアンス推進の観点からXとYがとるべきと考えられる対応を記述しなさい。 受験のお申込みは別途必要です。お申込みを忘れると、セミナー受講者でも受験できませんのでご注意ください。 内容:受験動機、主な学習方法(専門学校・通信講座・独学etc)、学習期間、本検定取得して実務などで役に立ったこと等を適宜文中の記述に入れてください。(全て入れなくても結構です) |
[ 431] 法務 転職・求人【JBN】
[引用サイト] http://www.jinzai-bank.net/opp_1.cfm?TJOB=0069
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【事業内容】●不動産及び有価証券の投資・保有・運用●不動産の売買・仲介・賃貸・管理業務●不動産特定共同事業法に基づく事業●宅地建物取引業 ●第二種金融商品取引業【特徴】「仕入れ」「バリューアップ」「囲い込み」の3つの戦略を基本に、不動産ビジネスの川上から川下、金融ノウハウを含めたビジネスのフェーズにおける収益機会の創出を目指している企業です。 採用後子会社に出向して頂き、コンプライアンス担当者として下記業務をメインに行って頂きます。○社内的な法令順守・モラル等のチェック、対応等○法規対応(契約書のリーガルチェック など)○その他付随するリスクマネジメント業務 【下記いずれかの条件を満たす方】○宅地建物取引主任者資格保持者の方で、不動産・建設・不動産金融業界での法務・総務業務ご経験者の方(2年以上)○宅地建物取引主任者資格保持者の方で、他業界での法務・総務業務ご経験者があり、不動産・建設・不動産金融業界の知識をお持ちの方(但し、年齢が上の方は相応のご経験年数・実績を求めます)○明るく素直で、向上心のある方○コミュニケーションスキルの高い方○チャレンジ精神のある方○行動力のある方 当社は業界トップクラスの「インターフェース機器」の総合メーカーで、独自の技術開発力、高い生産技術力、堅固な販売代理店システムにより、創業以来黒字決算を継続する優良独立系企業です。計装用信号変換器では、世界トップクラスの生産・販売台数を誇る業界一のリーディングカンパニーであり、「計測・制御・監視」の技術を軸に自動化・省力化・最適化を支援するニッチトップ企業として、今後も堅調な成長が期待される会社です。 1.企業活動に関する日本の法律制度全般に知識のある人 必ずしも弁護士の資格は要しないが、法律関係の仕事(企業法務部、法律事務所)での経験のある人 2.英語力のある人 グローバルの各事務所から英語での指示が来るので、それが理解できる程度の語学力がある人 コンサルティング・スキルをはじめ 卓越した保険ノウハウ・圧倒的な商品開発力を基に、心ゆき届くサービスを提供することによって、お客さまの最大の満足である生涯の安心と信頼を実現してまいります。 "個人情報関連業務をご担当いただきます。�仝朕余霾麒欷遒亡悗垢訌桓匱菫隼�項の企画・推進および管理 ・個人情報保護・取扱に関する全社共通ルールの策定・整備 ・個人情報管理について社員に対するトレーニングの企画・実行 ・関連マニュアルの作成��個人情報関連案件への対応 ・各事案の評価および報告書作成 ・各事案の原因分析および再発防止策の立案と関連部署への指示" 環境試験機器・装置のトップメーカー。電子部品用熱処理・特性評価・検査装置などの分野で国内トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。毎年、前年度比増で売上を伸ばしています。 ・予防法的な観点からの国際契約書作成および審査 ・国際商取引をめぐる関連部門からの問い合わせ対応 ・国際争訟の対応策検討 ・国際法務業務に関する情報提供 ・同社におけるコンプライアンス向上に関わる各種取り組みの企画・実施 ・その他各種リーガルサポート ・大学卒、または、海外大学院留学経験者 ・事業会社での国際法務業務経験者 ・法務に関する全般的な知識 ・国際契約関連業務全般に関する知識 ・各種訴訟・紛争の対応経験者 ・英文法令・英文契約書を読みこなすための英語力 ・ビジネスレベルの英会話力(TOEIC750点以上) ※中国語を話すことができれば尚可 同社は、あらゆるエレクトロニクス機器に不可欠な電子部品、コンデンサを開発・製造・販売しております。中でもアルミ電解コンデンサは世界トップクラスのシェアを獲得しています。高さ0.5mmの世界最薄タンタル電解コンデンサ等、その独自技術により顧客先から圧倒的な信頼を得ております。日本・北米・欧州・アジアの4極体制を整え、バランスのとれた営業・生産基盤を構築し、グローバル化にも対応しております。高い自己資本比率(77.1%)と有利子負債ゼロの無借金経営を続けており、財務体質は磐石です。 ■知的財産権(特許・実用新案・意匠・商標)の調査・発掘・出願・中間処理・権利維持・活用−他社知的財産への対応−知的財産に関する契約−知的財産に関する他部門のサポート |
[ 432] ビジネス法務の部屋
[引用サイト] http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/
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大阪弁護士会所属(登録17年目)。内部統制や企業コンプライアンス、企業会計などの視点から「企業価値」を考えるテーマを中心にあれこれとオリジナルな思いを書き綴っております。 今年の民事訴訟法学会のテーマは「会社法と民事訴訟法」だったそうであります。先日エントリーしましたとおり、司法試験の民事系問題でも、今年は民事訴訟法と会社法との混合問題が出題されました。訴訟制度や非訟制度が企業や株主にとって使いやすいものでないかぎり、「企業経営への司法によるコントロール」はなかなか及ばないものとなります。とくに少数株主保護や第三者責任問題などを通じて、コンプライアンス経営を推進するためには、商法と訴訟法の関係を見直すことはとても意義あることだと思っております。 関西ネタで恐縮ですが、平城京遷都1300年記念祭(2010年)のキャラクター「せんとくん」があまりかわいくないとの批判が高まり、市民運動によって新しいキャラクターが公募されておりましたが、このほど「まんとくん」に決定したようであります。(イラストをアップするのは問題かもしれませんので、こちらのニュースで「せんとくん」と「まんとくん」を比較してみてください)これは「せんとくん」にとっては強烈かつ挑発的なライバル登場であります。 たしかに平城京のシンボルは朱雀門ですし、鹿をイメージさせる「ゆるキャラ」のまんとくんは絶対にかわいい!と思います。おそらく「せんとくん」よりは「まんとくん」のほうが第一印象としてはかなり優位に立つような気がいたします。ただ、私は「せんとくん」をメインキャラクターとして推してみたいところです。たしかに現在は「ひこにゃん」に代表されるようなゆるキャラブームでありますが、記念祭が開催される2年後まで、いまのブームが続くかどうかはわかりません。むしろ「古っ!」とか言われそうであります。そこへいくと「せんとくん」の場合、たしかに人をコバカにしたような表情や何の変哲もないような体格は、このままではかわいくないかもしれませんが、たとえばコスプレによって無限の可能性を秘めているような気がします。これだけ「かわいくない」と評判のキャラクターですので、ちょっとした変化でかなりウケるんではないかと期待できませんかね?また、日本人だけでなく、海外の方々からみて、どっちがウケがいいかも検討する必要があると思いますが、せんとくんのほうが「東洋の神秘」を感じさせるのではないかと。「ひこにゃん」のときには、著作権(著作者人格権?)侵害紛争が周知性を高めたわけですが、今回のせんとくん・まんとくん騒動も、平城京遷都祭の知名度アップにはかなり貢献しているようです。 この4月から施行されております内部統制報告制度も、このブログを毎日お読みいただいている方でしたらおわかりのとおり、いろいろとご批判の多いところでありますが、体制を整備して、運用して、評価することを繰り返しているうちに、なんとなく愛着がわいてきまして、そのうち「ああ、やっぱり市場の健全性を高めるためにはいい制度だね。うちの会社の事業の効率性も高まってきたし。人材も育ってきたし。」と思える日がやってくるのではないでしょうか。(いえ、とくに根拠はないんですけど・・・そう思いたいです。) 平日の朝は当ブログを会社でお読みいただいている方が多い、とのことですが、本日は期待を裏切る「ゆるネタ」で失礼いたしました。明日はもうすこしまともなエントリーを書きますね(^^;; PS 先日のエントリーで利用しましたハンドルネーム「カトリーナ・ヤマグチ」の由来はおおすぎ先生がコメントで書かれているとおりです。 先週のエントリー「船場吉兆の廃業報道について思うこと」へのコメントにおきまして、DMORIさんが不祥事対策の要諦として「マイナス情報は一発で出し切ること」を挙げておられまして、これに対してTETUさんが、これはかなり困難ではないか?との疑問を呈しておられます。船場吉兆の福岡店で消費期限切れのプリン販売が発覚した時点、もしくは牛肉産地偽装が発覚した時点において、今回の「使い回し」事件も同時に公表していれば、船場吉兆社が廃業にまで至らずに済んだのではないか・・・といった問題が残っているわけでして、DMORIさんの提案にも一理あると思います。(ただ、「マイナス情報を一発で出し切る」というのは、経営者が把握していたマイナス情報はすべて出す、という意味と、マイナス情報が発覚したときには、危機管理として(自浄作用として)会社が調査した内容はすべて公表する、という意味がありそうでして、ここでは後者の意味で捉えることといたします。)今年3月末をもって、私は2年半ほど務めておりました某上場企業のコンプライアンス委員を辞任いたしましたが、その委員の経験からみて、社内(もしくはグループ企業内)のマイナス情報をどこまで経営者が把握できるか、ということはクライシスマネジメント上の大きな難問ではないかと思っております。マイナス情報を的確に経営者が把握できていなければ、結局のところ「一発で出し切る」ことは不可能なわけでして、「俺は聞いてない!」タイプの不祥事はけっこう多いというのが実感です。 それでは、(主として組織ぐるみではない、いわゆる従業員不祥事の事例について)一発で出し切る努力をしても仕方がないかと申しますと、有事になってからでは困難かもしれませんが、平時における有効策は存在する、と私は考えております。企業においては不祥事につながるような「ヒヤリ・ハット」事例が山ほどあるわけでして、このヒヤリ・ハット事例報告集などをきちんと分析することは、どこの企業でも真摯に実行することが可能であります。(要は社長さんが率先して、リスク管理の重要性を広報しているかどうかであります)ただ、このようなヒヤリ・ハット事例報告制度を開始してみて、「コンプライアンス経営はむずかしい」と感じた点は以下のとおりです。 企業不祥事の発生防止のために「ヒヤリ・ハット」報告が役立つことは、よくコンプライアンス教習本に書かれていますが、私の実経験からみて、何が自社にとってヒヤリ事例、ハット事例なのかがわからないケースが多いと思いますし、人によって意見が異なるケースも出てきます。小さな支店の細かいミスであったとしても、それを放置して見過ごすことが、後で大きな不正会計事件につながるケースもあるわけでして、何がヒヤリ・ハット事例となるのかは、企業内における独特な嗅覚をもった特定人の才能(また、社内できちんと指摘できるだけの度胸)に依存せざるをえないのが現実のように思っております。 大阪には「患者に人気のある病院」として著名な医真会八尾総合病院という総合病院がありまして、私も何度かここの「医療事故調査会」にお世話になりました。現在は医真会オーディット」なる病院から独立した監査委員会(のようなもの)がありまして、ここが医療職員らが作成するヒヤリ・ハット報告書を分析し、医療ミス再発を防止するための提言を行っております。もうすでに10年ほど前のことだと記憶しておりますが、自ら年間のヒヤリ・ハット事例を公表(年間800件以上の「医療事故につながりかねないミスが発生したこと」について、その具体的なミス内容を公表)することを開始し、医療現場の職員のミス防止策の提言から、職場の医療執務環境の改善策の提案まで行っているそうです。もちろん、現場の職員の方が自己申告することが大前提でありますので、情報の伝達が滞らないように様々な工夫がなされております。このような取り組みは、最近やっと一般の企業においても、リスクマネジメント委員会やコンプライアンス委員会などの独立第三者機構を中心として、社内における不祥事リスクを把握したり、改善するために活用され始めているようです。 もちろん、こういった取り組みによって有事の際に100%の企業不祥事を把握できることはまずありえないでしょうが、発覚事例と同種の不祥事を速やかに調査したり、社内における事実確認を速やかに行うことを可能としますし、「一発で出し切る」努力をしていることは外部第三者にも理解してもらえますので、企業内に「不祥事体質」が存在しないことを説明するためにも有益ではないかと考えております。 こんにちは。カテリーナ・ヤマグチです。(ここは無視してもらって結構です。一度やってみたかっただけですので・・・) すでに多くのブログでも話題になっておりますアデランスHD社の株主総会ネタ(取締役9名の選任議案において、新任の社外取締役2名以外の7名否決)でありますが、アデランスHD社のリリースによりますと、取締役の人数に欠員が生じたため(つまり、会社法で要求されている取締役会設置会社の最低取締役人数3名を割ってしまったため)、新任の2名が取締役、任期満了の9名が会社法346条1項に基づく取締役「権利義務者」として残ることになったようであります。本来、取締役は総会終了時をもって任期満了となり、お役御免となるわけですが、突然解任されたり、選任議案が否決されるなどで法定の取締役の人数に欠けることとなった場合には、会社との委任契約の性質上、(民法654条の「委任契約終了時の受任者の義務」に関する規定と同じく)後任が決まるまでは会社のために役員としての権利、義務を負うわけであります。そこで今回のアデランスHD社の場合にも、この規定に基づいて改任予定だった7名と、4月28日付けリリースで明らかにされていた退任予定2名の合わせて9名(つまり総会直前の取締役全員)がそのまま役員としての権利義務を負っている状態にある、ということになります。 もちろん、スティールを筆頭とした49,8%(2月末時点)の外国人株主の意向によって取締役の選任議案が否決される、というまことに異例の事態にも驚きましたが、よくもまあ無事にこれまでの7名が取締役「権利義務者」として残って、11人による取締役会が開催されることで済んだものだなぁ・・・というのが私の感想であります。(もちろん早期の臨時株主総会開催は必然のこととして)選任議案が提出された7名のうち、元最高裁判事でいらっしゃる大先生がおひとり「社外取締役」として選任される(改任される)予定だったようでありますが、この先生も選任議案が否決されたために、結果として取締役たる地位にあるのは新任の2名の「社外取締役」さん達だけになったのであります。(新任2名の除く9名のうち、2名については、任期満了で退任予定でしたので、選任議案は提出されておりません)もし選任予定の7名の取締役のうち、社外取締役だった元最高裁判事さんだけが、「社外取締役」であるがゆえに外国人株主によって「賛成」票が投じられていたとすると・・・・・、けっこうたいへんな事態になっていたのではないでしょうか。つまり、社外取締役ばかり3名が正式な取締役として就任することになりますので、法定の取締役人数に欠けるところはありません。またアデランスHD社の最新の定款をみてみますと、その20条において「取締役の人数は12名以内とする」とはありますが、とくに取締役人数の最低数を定款で規定しているものでもありません。ということは、もし外国人株主の方々が、「現任取締役のうち、社外取締役については再任はOK」と判断していたとしますと、会社法346条1項の「役員が欠けた場合」には該当しなくなりますので、社外取締役3名だけで取締役会を構成して、ほかの社長、会長を含めた実質的な役員の方々は、取締役「権利義務者」にもなれず、取締役会すら参加できない状況になっていたのではないでしょうか。これでは会社としての機能が一時的にでも麻痺してしまうことになりかねず、ゾッとしますよね。(なんぼなんでも、弁護士と会計士さんと、リスクマネジメントの先生の3人でアデランス社の経営判断をしろ、というのは厳しいですよね。だからといって、選任直後にわざと一名辞任する・・・というのは、それこそリスク大きいですし) そのあたりのリスクも見越して、外国人投資家の方々は社外取締役についても選任議案に反対票を投じたのでしょうか?しかしそこまで足並みを揃えて反対票を投じていたとは思えないのでありまして、本当にヤバイ事態になりかねなかったのではないかと思われます。新任の2名の社外取締役については賛成票を投じているにもかかわらず、現任(再任)予定だった社外取締役にはこぞって反対票を投じる・・・・・・、このあたりはどう解釈したらよいのでしょうか。 ところで5月24日あたりの報道では、アデランスHD社の総会について、議決権行使助言会社であるISS、グラス・ルイスあたりが、会社側提案に賛同するよう呼びかけている・・・というニュースがありましたので、今年は昨年ほどの騒ぎになるようなことは予想されず、マスコミにとっても意外なニュースだったのではないでしょうか?あと1ヵ月後に控えております3月決算会社の株主総会対策にも、けっこう大きな影響を与えるのかもしれませんね。 本日の読売新聞の一面トップ記事として「船場吉兆、廃業へ」とありました。読売のネットニュースはこちらです。(関西版だけがトップ記事だったのかもしれませんが)何名かの方より、エントリーのご要望がありましたので、仕事中ではありますが、ほんのひとこと、感想だけ書かせていただきます。 民事再生開始を申し立てたころは、おそらく顧客の方々さえ来店いただければ、事業規模を縮小することによって営業を継続できるだろう・・・との期待があったと思われます。しかしながら、やはり「つかいまわし」は痛かった。これは最後の砦である「長年にわたる顧客からの信頼」を裏切ったことになってしまったことは間違いないでしょう。これでは接待で使うにも使えないですよね。不祥事の種類にもいろいろありますが、この企業体質を如実に表現するタイプの不祥事の怖さを痛感しました。 それと、関係者の方々にご迷惑をおかけしてはいけないので、これはあくまでも私個人の感想(といいますか推測)にすぎませんが、廃業と刑事捜査との関係はどうなったのでしょうかね?不正競争防止法違反容疑で大阪府警の捜査が継続していたと記憶しておりますが、もし経営者の方々の刑事問題が微妙なところに来ているのでしたら、「廃業」はまちがいなく不起訴処分(起訴猶予)と結びつく事情になります。あまり報道はされておりませんが、私はむしろこっちのほうが大事だったのかなぁと。企業コンプライアンスに身を置く立場として、ギリギリの司法警察との交渉は過去に何度か経験がありますので、ただ私個人の感想として読み流していただければ幸いです) 日本ハウズイング社と原弘産社における株主名簿閲覧拒否仮処分事件の東京地裁決定につきましては、昨日の日経法務インサイドで少しだけ骨子が掲載されておりましたが、結論からみて、保全の必要性がない(原弘産ホームページにて自らの主張を株主に訴えかけることが可能、法定開示書類によって議決権ベースで65%程度の株主が判明している、日本ハウズイング側が株主に発送する参考書類に提案全文を掲載予定であることなどが理由)とのことで、原弘産側の閲覧請求が認められなかったようです。(ただし即時抗告あり)ただ、本日(5月27日)日本ハウズイング社の大株主(株式会社カテリーナ・イノウエ。日本ハウズイングの創業者による資産管理会社だそうです)より、双方に対して公開質問状が届いたようで、その中身を拝見いたしますと、これがかなりおもしろい内容です。とりわけこの質問状では、株主名簿閲覧拒否事件に絡んで、昨日の法務インサイドの記事にも言及されており、日本ハウズイング社に対しては、正々堂々と株主名簿を公開するよう要求しており、もし拒否するのであれば、その理由を説明するように求めています。他の質問内容も、委任状争奪戦を前にした株主からの質問として非常に参考になるところであり、私的には(こういった質問状が出てくる背景にはいろいろなご事情があるとは拝察いたしますが)ぜひとも、この公開質問状に対する真摯なご回答を両社にいただき、勉強させていただきたいと切に願っております。 さて、本日ある研究会の席上で、小耳にはさんだお話ですが、某会社の監査役が任期満了目前の時期に、諸般の都合によって辞任をされた、ということで、適時開示もされたのでありますが、これを知った監査法人の担当者から某会社に連絡が入り、「監査役辞任後の貴社の内部統制が有効であることの証明書を差し入れてほしい」と言われたそうで、会社も顧問弁護士さんもたいそうビックリしたそうであります。私もその開示情報は読んでおりましたが、その辞任理由は、やむをえず任期満了前に辞任せざるをえない正当な理由が読み取れるわけでして、とくに不穏な空気が会社内に漂っていることを予感させるようなものではありませんでした。したがって、私も「内部統制の有効性証明宣誓書の差し入れ」というのも少し驚いた次第です。ひょっとすると、任期を残して監査役が辞任する場合のマニュアルとして、こういった有効性証明書を出させるのが、最近の傾向になってきているのでしょうか?そもそも、いったい誰がそんな内部統制に関する有効性を判断できるのか、また有効であることを証明できるのか、ちょっとよくわかりませんが、こういった慣行があるとすると、監査役もずいぶんと辞めるのにプレッシャーがかかりますよね。。。だいたい、監査役辞任のお知らせには、辞任理由として「一身上の都合により」とか「諸事情により」といった簡単な理由が付されているだけでありますが、監査役が辞任することが会社の不穏な空気を想像させるものであるならば、もう少し「不穏な辞め方なのか」、「平穏に辞めたのか」想像がつく程度の理由が必要になるのかもしれません。以前にもエントリーのなかで少し述べましたが、監査役の任期は(上場会社の場合)4年ということで非常に長いものですから、とりわけ社外監査役(非常勤)のように他の仕事を兼任しているような方でしたら、本業の関係で途中辞任しなければならないケースもけっこう多いと思います。また、年齢的なところからくる「健康上の理由」もあるでしょう。したがいまして、監査役の(任期半ばにおける)辞任というのは、本当に「不穏な理由」と「平穏な理由」がけっこう数の上では拮抗しているのではないでしょうか。(もちろん、そんな統計結果などあるはずないでしょうが) 「社内に不穏な空気が流れているのかどうか」ということだけでなく、モニタリングの重要な役割を担う監査役がいなくなったこと自体が、内部統制の有効性に影響を与える場合もあるかもしれませんので、一概には申し上げられませんが、内部統制の有効性評価にあたって、監査役の社内における行動が参考とされるのが一般的ということであれば、少しずつ会社制度における監査役監査の地位も向上するのかもしれませんね。 先週の日経「法務インサイド」で採り上げられておりました「西武鉄道有価証券報告書虚偽記載事件判決」(東京地裁平成20年4月24日 民事8部判決)の全文が裁判所HPにて公開されています。法務インサイドでは、裁判所による「損害額」認定への疑問などが中心だったと記憶しておりますが、なるほど、こうやって全文を読んでみますと、裁判所の損害額認定の理屈が論旨明解である、とまではいえないように思いますね。(また、ご関心のある方は直接判決文にあたってみてください。) 私が知識不足なのか、それとも基本的なところで理解不足なだけかもしれませんが、この判決は株式会社西武鉄道や、名義株を多数保有していた株式会社コクド(現プリンスホテル)自身の民法709条に基づく不法行為責任を当然のこととして認めているわけですね。法人に不法行為責任が認められるのは、使用者責任(民法715条)が認められる場合や、代表者に不法行為が認められる場合(旧商法261条)が原則であって、特定の個人の不法行為成立が前提になってはじめて法人の責任が認められるような印象がありますが、本判決では「被告西武鉄道の注意義務」の有無がいきなり議論されています。法人責任が無過失と結びつくケースだとなんとなく理解しやすいのですが、法人自身の過失という概念は、証券被害事件などでも普通に認められているのでしょうか?(普通に認められているのだとすれば、私自身、かなりの認識不足があったかもしれません。法人自身の不法行為責任というのは、もっぱら公害訴訟など、ごく一部の分野で議論されているにすぎないと思っておりました。) しかし、企業自身の不法行為責任という概念は、おそらく被害者救済的な発想から、企業活動全体を評価して、その故意過失(違法性)を認定しようということだと思いますので、逆に企業側からしますと、けっこうコワいですね。法人が契約当事者になる以上、法人の債務不履行責任は当然イメージできますし、使用者責任や法人の理事による不法行為ということであれば、個人の不法行為責任が前提となりますので、故意過失の有無に関する反論は考えやすいのでありますが、どういった事情が重なれば法人自身に過失があったといえるのか、法人側からの反論の機会が十分に付与されないと、あいまいなままに不意打ちをくらって、企業自身に違法行為があったと認定されてしまう可能性が高いのではないでしょうか。つまり「何をもって法人自身の注意義務違反と評価するのか」、訴訟当事者間における問題点の共有が十分はかられる必要がありそうです。 また、本判決では、法人(西武鉄道やコクド)自身の不法行為責任と、個人として被告とされている西武鉄道の元代表者らの不法行為責任とが連帯債務関係に立つことが明言されていますが、なぜ法人の不法行為責任と取締役の責任とが連帯債務になるのか、そのあたりの理屈についても実はよくわかっておりません。また時間のあるときにでも、じっくり考えてみとうかと思っています。 当ブログにお越しの皆様方はすでにご承知のことと存じますが、5月24日(土曜日)の日経朝刊におきまして「内部統制に問題が判明しても、即時の開示を求めることはしない方針を(東証が)固めた」とのニュースが掲載されておりました。今年1月29日に東証からリリースされました「金融商品取引法における四半期報告制度の導入等に伴う上場制度の整備について」(パブコメ案)では、東証の意見として、上場会社は以下に該当する場合には、直ちにその内容を開示すること b 内部統制監査報告書において、「不適正意見」または「意見不表明」の記載が行われた場合とされておりましたので、 「重要な欠陥あり」と評価した場合でも、適時開示の手続は不要、ということなんでしょうね。有価証券報告書提出と同時に内部統制報告書も提出することになりますから、上場企業における内部統制の有効性に関する経営者評価、監査意見については、それまでは開示されない、ということになるんでしょうか。市場の過剰反応を防ぐのが目的とありますが、以前も書きましたが「重要な欠陥」なるネーミングが影響しているのかもしれません。そもそも内部統制の有効性評価というものは、動的なプロセスを評価した結果を示すものですから、B/S的発想からくる「当該企業の生来的体質」を表現するのではなく、P/L的発想による「当該企業の運営成績」(みたいなもの)を表現するものですよね。「重要な欠陥」があるとされた企業にとって、頑張れば翌期には「有効」と評価されていいと思いますし、何年も「有効」だった内部統制について、「重要な欠陥」が認められる企業もあると思います。「改善を必要とする重要な課題」くらいのネーミングのほうが、投資家も過剰反応しないかもしれませんし、また経営者も素直に課題を「弱点」として認めて、前向きに取り組むようになる思うのですが。まぁネーミングはともかくとしまして、いずれにせよ市場の混乱を防ぐということが大きな目的であるとすれば、やはり「重要な欠陥とは何か?」もう少し具体的な判断基準を、関係者間で共有することが喫緊の課題のようであります。 (さて、ここからが本論でありますが)先週末あたり、財団法人日本証券経済研究所のHPに、金融庁(総務企画局)企業開示課長のM氏の講演録がアップされております。(金融資本市場法制等をめぐる最近の状況−開示を中心として−)講演内容は3本の柱から成り立っておりまして、�_餬彜霆爐旅餾歸�なコンバージェンス、��内部統制報告制度、�6睛讃ι兵莪�法の改正案等、いずれも金融庁の公式な見解に近いものとして、非常に参考になるところです。(なお講演日は4月2日。)とりわけ内部統制報告制度につきましては、米国SOX法における監査実務がなぜ、あのように厳格なものになってしまったのか、金商法24条の4の4はあくまでもディスクロージャー制度として規程したものにすぎず、内部統制構築義務とは無関係であること、内部統制報告制度に関する11の誤解の「説明」、今後も追加Q&Aを公表する予定であることなどが述べられておりまして、制度の根幹を再確認する参考になると思われます。 「ストレートに言いますと、『内部統制は一切やる気がないので整備しませんでした。したがって内部統制には重大な欠陥があります。なぜなら、当社は上場したばかりで、コストもかかるし、赤字になって、会社にとってはマイナスだ。自分の営業スタイルは、こうすることによって粉飾決算を防ぐことができます』、こういうことが宣言できれば、そのとおりありのままに書けば、内部統制報告としては合格でございます。」 「気をつけていただくのは、その場合、内部統制には欠陥があるので、財務諸表が正しいかどうかというのは別途考えなければいけないので、『財務諸表には粉飾がありません。正しいんです。』ということは、経営者はどこかで説明をしないと、みんなは納得しないでしょう。その意味で経営者は必ず内部統制を整備すると思います。ただし、そのことと金商法24条の4の4とは法律的には別のことです。」(講義録22頁〜23頁) 「11の誤解」に沿ったご発言内容だとは思いますが、たしかに、金融商品取引法24条の4の4から「内部統制構築義務」が導かれないことは、すでにいろいろなところで議論されており、ほぼ現時点での通説かと思われます。(経営者に課せられるのは、内部統制評価、報告義務と監査を受ける義務)しかしながら、このM課長が言われるように「重要な欠陥があるけど、財務諸表は正しいです」と説明しなければ投資家、株主は納得しないのはわかりますが、そうであるならば、「重要な欠陥」があっても、説明責任さえ尽くせば法的義務はない、と素直に考えてよろしいのでしょうか?投資家が納得しないのが怖くて「内部統制を整備する」というのは、いわば経営者が財務報告にかかる内部統制を構築するかどうかはソフトローの世界の話であって、放置していてもなんら法的責任がないことが前提となるお話だということなんでしょうか。 ここから先は会社法と金商法の交錯する場面の問題かと思いますが、金商法および関連規則も取締役が遵守すべき「法令」に該当することから、これを遵守することも取締役の善管注意義務にあたるといわれることが多いですよね。(これが財務報告の信頼性確保のための内部統制システムの構築義務を根拠付けるものである、と。)しかし「金商法を遵守する」といいましても、上述のとおり、内部統制の整備義務自体が金商法から導かれないのであれば(つまり取締役が整備するのは、ソフトローの効果に期待するということであれば)、やはり善管注意義務違反もしくは任務懈怠と評価することとは、ダイレクトには結びつかないように思います。また、取締役が構築すべき財務報告内部統制のレベルを決めるのに「重要な欠陥」概念で判断する、というのも、果たして裁判規範としてみた場合に妥当なものと言えるのでしょうか?「重要な欠陥」があるかどうかは、そもそも会計監査の世界にかなり近いモノサシを使って考えるわけで、「合理的保証」とか「重要性」の基準からみて、その是非を判定することになるはずです。こうなりますと、重要な欠陥の有無は判断する人によってかなりバラツキがあると思いますし、取締役の法的責任を判断する基準としてはあまりにも漠然としたものになってしまうのではないでしょうか。つまり「重要な欠陥」という概念は、あくまでも企業情報開示制度と親和性を持つものにすぎず、取締役の法的義務の範囲を定めることとの親和性は薄いものと考えられます。また、かりに「重要な欠陥」の概念にはこだわらず、ともかく上場企業の取締役には、財務諸表の信頼性を向上させるための内部統制構築義務があるのだ、といった前提に立ったとしても、それでは一体、どの程度の構築義務があるかという点も、「重要な欠陥」概念を用いる場合以上にあいまいなものであると思われます。このあたりが、私にはいまだ混沌としておりまして、明確な回答を持ち合わせていないところであります。 ただ、こうは考えられないでしょうか?たしかに会社法は上場企業だけでなく、非上場の会社にも適用されるものなので、財務報告の信頼性確保のための内部統制構築義務というものは、直接的には導かれるものではないものの、やはり、(会社法上で取締役の善管注意義務のひとつとされている)法令遵守義務と金融商品取引法とを結びつけて善管注意義務のひとつと捉えたいところであります。ただ、金商法24条の4の4をもって、直ちに内部統制構築義務の根拠法令とすることにも疑義が残る・・・ そこで、取締役の財務報告に係る内部統制の整備構築義務というものを、金商法全体の趣旨から、捉えることはできないものでしょうか。たとえば内部統制報告制度は、はじめて経営者評価の基準を定立して、内部統制の評価というものを法的に意味あるものにしたわけでして、これは、日本の会計制度において、監査人だけに頼るのではなく、経営者もより健全な開示制度のために協力する必要があることを示しております。なぜなら会計基準の国際的なコンバージェンスへ向けた取組みや、会計基準が複雑化、高度化するなかで、正確な企業情報開示のためには、企業側の努力が必要だからであります。その努力の具体的な内容は、経営者自身が会計方針を決定したり、レベルの高い経理担当者を置いたり、内部統制の評価や改善に資する内部監査人を置くことが要請されるところであります。そういった企業側の努力は、開示制度のなかでも活用されてしかるべきだと思いますが、内部統制評価報告制度自体が、「ありのままの報告」で合格点であるならば、努力は報われないことになってしまいますよね。そこで当然のことながら「確認書」制度のなかで活用されることが期待されます。内部統制の有効性を評価できる企業であれば、これに依拠して確認手続をとることができるでしょうし、内部統制に重要な欠陥がある企業であれば、確認書を出すまでの経緯については投資家が納得できるような説明を尽くすことが要求されることになります。ということで、これまで有価証券報告書の添付書類として、任意の制度だった確認書を義務化されたことは、経営者が財務諸表の正確性について、合理的な理由をもって説明できることが前提となっているわけでありますので、そこに財務報告に係る内部統制の整備義務を根拠つけることができるのではないでしょうか。そもそも平成19年2月15日に公表されました財務報告に係る内部統制意見書の前文(審議の背景)におきましても、「我が国では、平成16年3月期決算から、会社代表者による有価証券報告書の記載内容の適正性に関する確認書が任意の制度として導入され、その中で財務報告に係る内部統制システムが有効に機能していたかの確認が求められてきたが・・・」とあります。この前文の記述からも明らかなとおり、財務報告に係る内部統制の有効性評価と確認書の提出制度は(ともに財務諸表の信頼性を確保することを補完するものとして)密接な関係にあり、この確認書の提出が、独立して法定化(義務化)されたことは、まさに経営者における財務報告の信頼性確保のための内部統制システム構築を通じて、財務諸表の数字の適正性を保証することを、各上場企業に求めているものと言えるのではないかと思います。 このような理解は、「内部統制を整備しない経営者が、財務諸表の正確性を説明できれば(法的には)それでいい」とするM課長の話との整合性について疑問が残るかもしれません。たしかに、何年も内部統制が有効と評価されている会社どうしが合併した場合のように、たまたまその年度においては会計処理システムの有効性が十分検証できずに「重要な欠陥」があるとされる場合があっても、経営者は、これまでの合併当事会社の内部統制評価の結果からみて、連結財務諸表の正確性は説明できる場合もあるでしょうし、構築義務違反=取締役の任務懈怠とはならないケースもあるとは思います。ただ、それは構築義務を尽くさなかったとしても財務諸表の正確性が合理的な範囲で担保されているような、相当な理由がある場合に限られるわけでして、やはり、原則は金商法の制度趣旨からみて取締役に構築義務を認めていいのではないでしょうか。あくまでも開示制度を充実させる範囲での内部統制構築義務を取締役に認めるわけですから、この義務を認めるとしても、経営者におけるリスク評価、内部統制の整備、運用において広い裁量権があると考えていいと思います。 企業は新株予約権や種類株式を活用しながら、直接金融、企業再編、事業承継を行う自由度が増したわけであり、また市場もいま、その仕組みを作りつつあるわけであります。自由を持つ裏にはその責任も伴うものであり、市場の健全性を確保する責任の一端を、発行体企業自身も負担する必要があるわけで、複雑化していく会計制度の透明性、公正性を監査人だけに委ねるのではなく、協働作業によって維持することが、すくなくとも上場企業の場合には、金融商品取引法を通じて要請されているものとみるべきではないでしょうか。 昨日のエントリーには、たくさんのアクセスをいただき、ありがとうござした。内容的に、それほど盛り上がるようなテーマではないのでありますが、やはり粉飾決算と会計監査人の責任問題・・・というのは、けっこう注目度が高いのでしょうね。間違った内容等ありましたら、どうかご指摘いただければ幸いです。(そういえば、関連するような問題で、5月21日付けにて、日本公認会計士協会のHPに懲戒処分リリースが掲載されていますね。処分理由を読んでかなりビックリしました。) さて、JASDAQ上場企業である日本トイザらス社が販売商品の塗料に問題があったとして、製品回収(リコール)を告知しましたが、リコール発表の時間を報道機関を通じて予告することで、その告知内容が世間に大きく知られるところとなりました。企業の社会的責任を宣言する企業として、このリコール実施の方法は、まさに企業の体質を物語るものであります。 こういった危機管理(クライシスマネジメント)の一環としてのリコール実施方法について、私がよく参考にさせていただいているのが「不祥事を防ぐ市場対応ハンドブック」(久新大四郎 著 唯学書房 2800円税別)であります。前半部分はまさに問題発生の第一報からリコール実施までの詳細な解説が記述されておりまして、現場感覚がよく把握できるもので、たいへんありがたいです。後半は、まさにいま問題となっております消費者庁へ移管が予定されている各法律を消費者問題との関係から手際よくまとめておられるものであり、私にとりましては「一粒で二度おいしい」参考書であります。著者の九新(きゅうしん)氏はソニーCSオフィサーなど、長年企業の側から消費者問題に関与されている方でありまして、法律家の執筆するコンプライアンス本よりも「明解でわかりやすい」内容であります。いざ!というときはもちろんコンサルティングが必要でありますが、平時におけるリスクマネジメントを考えるには最適であります。この前半部分を参考にしながら、今回のトイザらス社のクライシスマネジメントの手法などを検討してみると、リコールの成否が企業の情報開示統制に大きく依存していることがおわかりになるかと思います。 (22日午前11時 追記 なんだか、本日はものすごいアクセス数になっておりますが、本件エントリーはまだ「書きかけ」程度にご理解ください。本判決の3分の1程度の論点しか紹介しきれておりません。こういったときはかならず後でご批判を受けるんですよね 笑) 旬刊金融法務事情の最新号(1835号)の判決速報にて、株式会社キムラヤ(ディスカウントストア 平成16年9月民事再生手続開始)の粉飾決算事件について、三菱東京UFJ銀行等2名が取締役らと会計監査人に損害賠償を求めた訴訟の判決全文が掲載されております。(東京地裁、平成19年11月28日民事第五部判決 確定)キムラヤは、当時同族で90%以上の株を保有していた非上場会社でありますが、負債が200億以上の「商法特例法上の大会社」だったために、平成12年より平成16年1月期まで会計監査人による商法監査を受けていたものであります。三菱東京銀行は、他行とともにシンジケートローンを組み、民事再生開始申立の直前に10億円をキムラヤに融資実行したわけでありますが、その際に、被告会計監査人の適法意見の付された計算書類を信用して融資を決定したということで、商法特例法10条(現行会社法429条2項4号)による会計監査人の責任を追及した、というものであります。 判決は、粉飾を実行した取締役らの責任を全面的に認めましたが、会計監査人(公認会計士)の責任は否定しております。平成9年ころから粉飾は続いておりましたが、事案の性質上、原告銀行らは平成16年1月期の会計監査についてだけ、その過失を主張しているようです。粉飾はディスカウントショップらしく、いわゆる棚卸資産(商品在庫)の架空計上でありまして、平成16年1月期の貸借対照表上の棚卸資産計上額は89億3900万円ですが、実際(民事再生開始決定後にあずさ監査法人が算定した正味在庫)は、47億3700万円であり、実際の資産よりも倍額の過大計上だったようであります。裁判におきましては、商法特例法10条責任(立証責任の転換)が適用される事案であるため、会計監査人のほうが一生懸命「過失なし」であることを立証して、裁判所がこれを認めたものでして、会計監査人としてはキムラヤの固有リスク、統制リスクをきちんと評価したうえで、比較的厳格に監査手続を履行したことが、「平均的な水準の会計士としての注意義務をもって監査手続を行った」ものとして評価されたようであります。 しかし、先日のナナボシ判決を読んだあとで、上記判決文を熟読してみますと、ずいぶんと原告銀行側の主張もあっさりとしたもので、「絶対に会計監査人の過失を認めてやろう」といった迫力が感じられませんでした。これは原告側が監査契約に基づいて(実質的な)主張立証責任を負う債務不履行責任を追及したものではなく、銀行が「第三者」として商法特例法10条責任を追及したことからくる差なのかもしれませんが、ツッコミ不足だったように感じます。原告が会計監査人の不法行為責任を追及しておれば、もっとリスク・アプローチを採用したうえでの監査上の注意義務違反の有無が詳細に問われる事案ではなかったかと思います。あまりにも多くの疑問点があるために、到底ブログでは申し上げられませんが、そもそも法定監査が開始されて以来、ビッグカメラが銀座に出現して売上自体は伸びていないにもかかわらず、6年間で在庫商品の資産計上額が10倍というのはかなり異常ではないかと思いますが、そのあたりはまったく判決文のなかでは触れられておりません。また、メインバンクであるみずほ銀行が、「在庫を監査させてほしい」とキムラヤに申し出て、みずほが指定した監査人による監査が開始されるやいなや、わずか2日目でキムラヤ経営陣とみずほが委託した監査人との間で意見が衝突し、その直後に民事再生を申し立てたという経緯がありまして、このあたりの話からしますと、虚偽表示リスク(商法監査に、この用語は正確には不適切かもしれませんが)というものが、もうすこし厳密に争点になっていたら、どうなったんだろうかと疑問を抱くところであります。 本日(5月21日)ヤクルト株主代表訴訟の高裁判決が出たということで、またどこかで判決速報などを読んでみたいと思っておりますが、報道レベルでは、原告株主らが賠償を求めたかった取締役らの責任につきましては、「当時のリスク管理体制整備義務を尽くしていなかったとまではいえない」として否定されたようであります。こういった監査とか監視義務といった問題の場合、いつも思うのですが、監査人や取締役の「法的責任」を議論する場合、いかに具体的な主張を展開できるか、という点がキモでありまして、とてもむずかしいですね。「内部統制の不備あり→実査すべき」なる主張では、おそらく裁判所は説得できないわけでして、最低でも「内部統制の不備→代替手続による確認→虚偽表示リスクの認識→試査による追加手続の可否→実査すべき」といった過程のなかで、逐一、会計監査人の注意義務の存否を評価していく必要があると思います。また、取締役の内部統制構築義務違反を問題にする場合にも、「内部統制の基本方針→具体化作業→運用状況評価→改善に関する提案の有無→改善の実行」までの過程を検証したうえで、裁判所に内部統制上の「重大な欠陥」(重要な欠陥とは少し概念が異なりますが)があったことをまず論証したうえで、各取締役の内部統制をあえて無視する、という作為と同じほどに評価できる不作為(放置)を立証しなければ、善管注意義務違反は認められないものと思っております。そもそも「経営判断」や「会計監査」は、法との関係を離れて企業社会において重要な意味を持つものでありますから、そこに法が割って入ることの意味はよくよく慎重に考えておきたい、というのが私の勝手な持論であります。(うーーん、書きたいことの半分も書けずに、なんか不完全燃焼に終わってしまったエントリーです。。。トホホ) 著名ブロガーの方々が、平成20年度の新司法試験問題についてコメントされておられるので、たいしたことはコメントできませんが、ひとことだけ雑感を述べさせていただきます。おそらく受験された方は民事系問題を見てビックリされたことだと思います。今年は商法科目が民事訴訟法科目とくっついて大問(配点200点のほう)になっちゃったんですね。私のゼミを受講されたロースクール生の方々ならご存知のとおり、昨年から「会社法は絶対に訴訟法とからめて勉強すべき」と何度か申し上げておりましたので、そういった意味では「大当たり」でしたね(^^; いえ、これは私が優秀な講師だからではなくて、逆に「とても人には言えない恥ずかしい訴訟」を何度も過去に繰り返してきた「ごく平凡な弁護士による苦い経験」からであります。大手の法律事務所の弁護士さん方でしたら、元々優秀なうえに訴訟担当チームを組んで、それなりに会社事件の訴訟活動は先輩からきちんと教えられるところもあるかと思いますが、小規模事務所が会社事件を担当することとなりますと、弁護過誤にもつながりかねないような基本的なミスを犯す可能性が高いのであります。当事者適格や訴訟形態(給付訴訟か確認訴訟か、形成訴訟か)、裁判管轄(どこの裁判所に訴えるべきか)、必要的共同訴訟かどうか、提訴期間や訴訟参加は可能か、定款自治や株主間契約による合意は訴訟要件にどのような影響を及ぼすか、などなど、会社法特有の訴訟法上の問題はやまほどあるわけです。あまり知られておりませんが、あのダスキン株主代表訴訟の第一審においてですら、かなり基本的なところで手続上の瑕疵があり、「瑕疵が治癒された」と裁判所に判断されているケースもあるほどです。ということで、商事事件を扱う弁護士を想定しますと、まずなんといっても、利害関係者の権利義務関係を裁判所に判断してもらうためには、「事件をとりあえず裁判にのっける」作業が必要なのでありまして、実務家になるためには、この「会社法と訴訟法の交差する場面」は「基本中の基本」なのであります。来年の試験問題がどうなるかは予想できませんが、私は判例研究などをされる場合でも、原告弁護士がどうやって「裁判にのっけたのか」、被告弁護士はどうして、ここで門前払いを求める主張をしているのかなど、きちんと配慮していただきたい、と常々申し上げているところであります。 あと、会社法を学ぶ上でとても大切(と私は勝手に思っておりますが)なのは、勉強しているときに思い浮かべている「会社」は大きな会社なのか、小さな閉鎖会社なのか、同族会社なのかベンチャー会社なのか、合弁会社なのか、ということであります。判例研究の際、毎回最初にお聞きするのは、「この被告会社はどういったイメージの会社ですか」ということでして、イメージされた会社によって、法律実務家が選択すべき法律構成はまったく異なるわけでして、そのあたりを十分理解しているかどうかは、非常に重要であります。今年の問題をみましても、上場子会社と、これを実質支配する小さな閉鎖型の親会社が登場して、かなり怪しい株式交換手続を行うものでありまして、上場会社からみた「会社法」、閉鎖会社からみた「会社法」、そして(責任財産保全の問題をからめながら)それらの関連性の問題点を見つけ出すというところは、かなり良問ではないかと思いました。 しかし架空循環取引や粉飾決算が登場したり、親子上場問題が出たり、怪しげなM&A投資アドバイザーが活躍したり、利益のためなら多少のコンプライアンス違反に目をつぶる銀行マンが登場したりと、まさに世相を反映した民事系問題ですね。昔の司法試験問題とは異なり、上から40%の人と45%の人の間に差をつけなければならない試験になりましたので、たくさんの文書を読ませて、論点抽出型の回答にならざるをえないものとは思いますが、楽しく議論してみたい問題だと思いました。(お気楽な内容ですが、このあたりで) 以前日経新聞でも伝えられておりましたが、また読売ニュースにてサンエー・インターナショナル社(上場会社の役職員)のインサイダー取引について証券取引等監視委員会が課徴金処分を念頭に勧告を行う予定であることが報じられております。私の手元にあります東京証券取引所発行にかかる「インサイダー取引Q&A第三版」の29ページには、「決定事実」が最高裁まで争われた事例をもとに�〃萃蠅肋λ‐紊竜ヾ悗砲茲襪發里妨造蕕譴此覆弔泙蠎卍垢琉媚弖萃蠅世韻任發△燭襦豊⊂魴鑄佞�の決定(たとえば親会社が第三者割当てに難色を示しており、この親会社が承諾することを条件に割当てを行う、といったケース)であっても該当する、とありますし、またQ&Aのなかでも半年前くらい遡った初期段階においては、かなり微妙ではあるが、社長がトップダウンで重要事実案件実現を目指して検討が開始されているようなケースでは初期段階であっても重要事実が成立していると考えられる(16ページ)とあります。この本の副題のとおり「30分でインサイダー取引がわかる」かどうかは別としまして、こういった一般の方向けの解説を読みますと、サンエー社の件は普通に考えても「ちょっとヤバイんじゃないかな?」と考えられるところだと思います。実際のところ、サンエー社としては「ヤバイ」と思って証券会社さんに意見を求めたわけですから、どうして証券会社としては、違法性なし(だいじょうぶ)といったサインを送ったのでしょうか。下手をすると、先日の証券会社社員によるインサイダー取引を発生させてしまった内部統制上の問題点ともつながってしまうのではないかと邪推してしまいますが、このあたり、もうすこし詳しい事実関係が知りたいところであります。 インサイダー取引が刑事事件として立件されるのであれば、サンエー社役員の方に故意が認められる必要性がありますので、証券会社さんの意見にしたがって公募増資を行ったというものであれば「故意が認められない」(もしくは行為に違法性なし)とされるでしょうが、課徴金賦課につきましては「うっかりインサイダー」なるお馴染みの用語でもおわかりのとおり、明確な違法性に関する認識がなくても柔軟に課されてしまうわけですから、サンエー社の役員の方にしてみれば納得のいかないところだと思われます。 金融庁HPで「ベターレギュレーションの進捗状況について」と題する報告書が公表されておりまして、そのなかでプリンシプルベースとルールベースの最適の組み合わせが大きな柱とされ、一例として先日公表されました「内部統制報告制度に関する11の誤解」が引用され、「ルールの解釈にプリンシプルから光をあて、実務が過度に萎縮することがないよう、制度の趣旨を明確に示す取り組みを実施」した、と説明がなされております。私はこの金融庁の「11の誤解」につきましては、かなり画期的であり、評価している立場でありますが(当ブログにお越しの常連の皆様は別の意見と思いますが)、これがルールベースとプリンシプルベースの最適な組合せの適例かどうかはちょっとよくわかりません。先のサンエー・インターナショナル社の例などをみますと、この「プリンシプルベースとルールベースの組合せ」なるものは、ルールの隙間をプリンシプルで埋める、といった印象が強いのではないでしょうか。そもそも金融市場の健全化をはかる為には、厳格な司法判断やがんじがらめの事前規制では機動的な取締りが困難なために、専門性を発揮した柔軟な取締りのために、プリンシプルベースで「穴」を作らない方に目的があるのではないかと疑ってしまうところがございます。となりますと、むしろプリンシプルベースというのは使い方次第では、実務に対して過度の萎縮的効果を与えてしまうのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 そもそも、「11の誤解」につきましても、実務が過度に萎縮することがないように」とは言いますが、経営者評価と監査とは別々の「実務」があるわけですから、経営者にも監査法人にも、それぞれの業務が萎縮しないことへの効果はあったのでしょうか?私には、どっちかに効果があれば、一方は萎縮してしまう関係にあるのではないか、と疑問に思っております。いずれにしましても、いま私が期待しておりますのは、相談センターなどの問い合わせ事例を集計して、世間ではこの内部統制報告制度を施行するうえで、どんなことが問題になっているかを早期に公表していただくことであります。それと、「金融専門サービス士」構想ですが、これはまた別の機会に思うところを書かせていただきます。 当ブログではこれまで三度にわたって「行政法専門弁護士待望論」に関連する話題について語っておりますが、平成21年にはできる(本当かな?)とウワサされております「消費者庁」なる内閣府の外局構想につきましては、これまで以上にそういった専門弁護士が待望されるところではないかと思っております。なんといいましても、5月16日の日経朝刊では「22法律移管」とされ、同日の時事通信ニュースでは24法律、そして朝日ニュースでは26法律が移管されるとのことでありまして(いったいどの報道が正確なのでしょうか?)、今後の各省庁との折衝次第では、ものすごい絶大なる権限(総合調整権限)を有する行政組織が誕生することになるわけであります。これは企業コンプライアンスの観点からみて大きなリスクであることに間違いないと思います。(にもかかわらず、あまり話題にならないのはなぜなんでしょうか?麻生さんはまったく関心がないということか?)なお、誤解のないようにあらかじめ申し上げておきますが、「リスク」といいますのは、決して消費者を騙しているような悪徳企業の「やり逃げ」を支援するという意味ではなく、自由競争のもと正当な営業活動を続けているまっとうな企業の商売に萎縮効果を与えるリスクのことを指しております。消費者保護と企業の自由な営業活動との調和点をどこに求めるのか、という非常にむずかしい問題が横たわっているわけであります。 いずれにしましても、一部移管も含めますと、PL法、景表法、消費者契約法、金融商品販売法、消安法、品確法、公益通報者保護法、食品衛生法、そして宅建業法などなど、商工会議所主催のビジネス実務法務検定問題に登場するような重要な法律の運用に関与する行政組織となりますので、その「行政手法」がどのようになるのかが、非常に気になるところであります。私は行政法専門弁護士でもなんでもありませんが、素人ながら、その行政手法を検討するためには、「何を」規制するのか、という観点と、「どのように」規制するのか、という観点で分けて検討するのが便利ではないかと思っております。「何を」規制するか、というのは消費者行政に関連する企業活動そのものを規制する場合と、消費者と企業との取引の効力自体を規制する場合とに分けて検討すべき、ということであります。それと、「どのように」規制するか、ということにつきましては、以下のとおりに分類すべきではないでしょうか。 もちろん、これらの行政手法がバラバラに用いられる場合だけでなく、こういった行政手法をいくつか組み合わることによって公益目的を実現することも考えられるわけであります。そしてこういった行政手法への企業側の対応も、フレキシブルに検討していく必要があると思っております。ここで申し上げたいのは、行政訴訟を提起したり、行政手続法に沿った申立を行うことを主として意味しているのではございません。(そういった法的手続きに関する問題であれば、それこそ行政事件に強い弁護士さんに相談されるのが良いと思います)私が行政法専門弁護士を待望しますのは、そういった既に教科書的に書かれている法的手続きに強い弁護士さんではなく、もっと早期の段階、つまり行政調査が入った時点で交渉できる弁護士とか、行政罰ができるだけ軽く済むような企業側の諸事情を代弁するとか、いわゆる行政処分によって信用が毀損されてしまう「一歩手前」のところで行政処分を出させないようにするとか、すでに公益目的が実現されたのと同じ状況を作出するといった「政策法務」に強い弁護士のことであります。 「政策法務」といいますのは、普通は霞ヶ関とか、地方自治体の幹部の方々が、法律や条令を制定する場合に、その立法事実を正確に把握したり、どのような行政手法を採用するかを検討したりする場合の実務が中心でありますが、そういった実務の考え方は今後企業サイドにおいても必要になってくるのではないかと考えております。とりわけ所轄の省庁による専門的、技術的見地から許認可行政が運用されてきた法領域に対して「消費者行政」なる名目で別の官庁が大きな権限を行使するとなりますと、曖昧な要件のもとで営業活動の制約(財産権保障の『公共の福祉』による合理的制約)がまかり通ってしまって、そういった処分のもつ「信用毀損効果」をおそれて、企業活動は萎縮してしまうのではないかと危惧するところであります。そこで、たとえば行政が企業に対してペナルティを課すことに「裁量」が認められるのであれば、それこそ普段の法令遵守体制への尽力が影響することになるでしょうし、許認可権を省庁が手放さずに、勧告権だけが消費者庁に存在するのであれば「公定力」がない分、消費者庁とは徹底的に争うことも可能になるでしょうし、リスクを低減もしくは回避する方法はいくらでも考えられると思います。 また、「何を」規制するか、という点で企業活動を直接規制する方法と、企業と消費者との契約自体を規制する方法に分類した場合、たとえば企業の行為を規制するためには多大なエネルギーを使って行政調査を行うことになりますが、その場合にはまず消費者教育がなければ、「利用価値のない消費者情報」に振り回され、非効率な行政活動になってしまうのは目に見えているのではないでしょうか。つまり効率的な消費者行政であれば、1年に1000件の企業不正を処理することができるのに、消費者の啓蒙活動ができていないために、わずか100件しか処理できなかった、という結果に終わる可能性はいまのところ非常に高いと思います。今朝の朝日ニュースで、「消費期限」の意味を理解している消費者は半数にも満たなかった、というアンケート調査のことが報道されておりましたが(朝日ニュースはこちら)、消費者庁構想の最も大切な点は、この消費者への啓蒙活動にあると考えます。さらに、企業と消費者との契約自体の規制につきましても、先日の健勝苑、ニッセンを被告とした大阪地裁での判決(正確には消費者と企業の関係ではありませんが)にもあらわれているとおり、同じ被害者に対する対面呉服販売であっても、その被害者が最初に購入した場合と、次の業者から購入した場合とでは、結論が異なる場合もあるわけです。(ちなみに、先に呉服を購入した業者との契約は公序良俗違反で無効、次に購入した業者との関係では、危険を承知で購入したのだから無効とまではいえない、といった判決内容であります)つまり「消費者行政」といいましても、そこには個々の消費者ごとに企業との取引では保護に値する消費者なのかどうか、吟味する必要があるわけですので、契約関係へ行政が立ち入ることについては、消費者側からも企業側からも、相当な抵抗があるのではないかと予想しております。 ということで、福田内閣の推進する「消費者庁構想」、私の頭のなかでは、予想される混乱を考えますと、その実現率はかなり低いのでありますが、どうなりますでしょうかね?なお、首相官邸HPの消費者行政推進会議の議事録ならびに資料はなかなか勉強になります。 毎週木曜日はお昼から2コマ(合計3時間)、同志社のロースクールにて森田章教授と一緒に3年生の会社法ゼミを担当させていただいております。ゼミの時間はけっこうツッコミを入れさせてもらっておりますが、本日は森田先生がご専門の「株主代表訴訟と経営判断原則」をテーマとした事例研究ということで、私はほとんど聴講生状態でした。(^^;いやいや、アメリカの裁判事情や、取締役とCEO、株主との関係など、日本の株主代表訴訟と比較して非常におもしろいお話が聞けました。(以下、記述をわかりやすくするために、若干デフォルメしております。法律に詳しい方、あまり鋭いツッコミをいれないでくださいね) 紀伊国屋文左衛門の話江戸でみかんが不足していて、嵐のなかを無事に船で江戸までみかんを運べたら大もうけや。そやけど、みんなは「こんな嵐やったら船がひっくりかえるがな。やめとけ。やめとけ」っていうんや。そやけどやで、無事運べたら、誰も文句はいわへん。船がひっくりかえってしもたら、「ほらみろ、あれだけやめとけいうたのに、無理して出かけたお前が悪いんや。」っていわれるやろ。これが「合理的判断」や。10人中8人くらいが船ででかけるのは無謀と思ったなら、これは合理的判断やから責任ありや。そやけどやで、そんなんでやめとったら商売ならへんがな。10人中8人が「行け!」っていうからいっとったら、そんなもん、もう商売は終わりやで。儲かるわけないんや。10人中ひとりかふたりが「行ける」と思って成功するから商売なんや。これがビジネスジャッジメントルールっちゅうもんやで。わかるか?アメリカでは「合理的判断」とはいわんのや。合目的的判断や。(rational)アメリカではこの合目的的判断が保護されるんやけど、日本の裁判では「合理的判断」でないと取締役は救われへん。そんなアホなことあるかいな。リスクっちゅうもん、わかっとらんのちゃうか? このへん、日本の会社法も、うまくできかけとったんや。お前ら知っとるか?会社法の条文で削られた条文あったやろ?代表訴訟で、会社の正当な利益が害される場合には代表訴訟は許されへん、ってな条文が最初あったんやけど、あれ、つぶれてもうたんや。アメリカの訴訟委員会みたいなもん、日本にはないから、取締役にとっては災難やで。こんなん弁護士もうけさせるばっかりやで。ホンマのビジネスマンが日本には育たんで。ワシもな、最初は日本には「独立社外取締役」なんて、いらんと思っとったんや。そんなもん、会社経営にはなんの役にも立たんとな。そやけどな、社外取締役が訴訟委員会みたいなもん作って、そこで株主の代表みたいな顔して、「こんな訴訟やったって、取締役からお金をチョロっと取り返したとしても、会社の信用は落ちるは、弁護士報酬が高くつくわで、会社にとってええことない。訴訟はやめなはれ」って言えたら、こりゃええもんですわ。会社と株主との利益調節のためにも、社外取締役は安くつくし、もっと活用したほうがええんとちゃうやろうかな。最近、6月総会を控えまして、機関投資家による「日本企業における株主利益向上のための議決権行使基準」に関する話題が盛り上がっているようでありますが、米国の機関投資家によるガバナンス改善要求の真意などを知るうえで、やはりアメリカで長年研究されていた学者の先生方の意見を拝聴するのはたいへん有意義だと感じました。なんといいましても、代表訴訟や独立社外取締役制度、執行役と取締役の関係、そして株主によるクラスアクションなどが、それぞれ制度として関連性を有しているわけでして、これらが日本の企業文化のなかでどのように効果的に機能するのか、そのあたりはやはり海外の制度を理解している方のお話を聞いてみるのが一番だなぁと感じております。(できるだけ森田教授の口調に近い雰囲気でご紹介いたしましたが、私はもちろん、尊敬している方であります。失礼がありましたら、この場で謝っておきます。また内容に関する誤りがございましたら、それは私自身の責任です。) PS そういえば、今日の事例研究(株主代表訴訟における担保供与事件)で、発表担当のスクール生のひとりが「へびのめミシン」「へびのめ不動産」と言い出したのには唖然としました(^^;;「お前そんなんも知らんのか!? 昔は嫁入り道具のひとつやったんやぞ。お前のおかあちゃんも、これ実家から持ってきとるはずやで!今は知らんけど・・・」なる説明をされていた森田教授にも笑わせていただきましたが・・・・・ NHK名古屋放送局が制作する土曜ドラマ「監査法人」が6月14日よりスタートするらしいですね。昨年の「ジャッジ〜島の裁判官」では裁判官の生活や仕事ぶりがリアルに描かれていましたが、今度は企業の監査に携わる公認会計士さんの仕事や生活ぶりがドラマ化される、ということで楽しみにしております。昨年の私のエントリーのように(笑)、その筋の方々はおそらくツッコミを入れたくなるのかもしれませんが、監査に詳しい学者の先生方が監修されたり、日本公認会計士協会のHPでも広報されているようですので、「ドラマ」ということで、おおらかな気持ちで拝見することにいたしましょう。 門外漢である私がこのドラマで一番楽しみにしておりますのは、「いったい会計士さんというのは、仕事の楽しさをどこに見出すのだろうか?」という点であります。自らの監査という仕事をやりきったときに、果たしてどこにテレビドラマにふさわしい「充実感」が描かれるのでしょうか?先日ご紹介した山浦先生の「会計監査論第5版」第6章(職業監査の規範)におきまして、山浦先生はたいへん冷静に以下のとおり解説しておられます。「・・・会計監査の需要者や監査結果の利用者にとって、監査が首尾よく実施されればされるほど、監査という業務のメリットを実感しにくいという、きわめて皮肉な構造になっている。たとえば同じ専門職業であっても、医者の場合は治療の結果を患者が直接に実感できる。また弁護士の場合は訴訟での勝ち負けが依頼人の利害に直結する。しかし会計監査の場合は、こうした成果を捉えにくい。むしろ何事も問題が生じないときこそ、会計監査の成果が発揮されているときであり、・・・(中略)会計監査はまさに「日々平穏こそ吉」であり、成功裡に終えることのできた業務を外に誇示できないという宿命を担った専門職業である」たとえば、このドラマを商学部や経済学部に通う大学生が見ていたとします。ドラマをみて「うわぁ、やっぱり公認会計士ってカッコいいっす。俺も頑張ったらなれるかなぁ」と職業会計人を目指す動機付けになりうるためには、このドラマが監査業務という仕事上の充実感とか、自由競争によって会計士の能力に差が出ることなどが描かれることが必要だと思います。ちなみに、昨年の「ジャッジ」では最終回だけを見ても、島の将来を二分するような大きな紛争を裁判官の努力によって解決し、島民全体がWIN TO WINの関係を築き上げたところに裁判官としての職業上のやりがいが見事に描かれていたように思います。また、税理士さんであれば、(私もお世話になっておりますが)あのテこのテで税務署と格闘していただき、クライアントに対して「節税効果」を実感させてくれます。会計士さんが主人公のドラマということで、ストーリーはおそらく企業の会計不正を暴くことにフォーカスされるのではないかと想像しますが、会計士さんは、その能力によって不正を暴くとしても、その充実感はどこから得られるのか、人よりも監査能力が高いことを、どうやって会計士さんはアピールすることができるのか?(それとも、そんなアピールは必要ないのか?もしアピールする場がないのであれば、どうやって職業人としてのスキルアップへのインセンティブを持ちうるのか?)そのあたりはドラマのなかではどのように描かれるのでしょうか?とても興味があります。「行列ができる法律相談所」はあっても、「行列ができる有限責任監査法人」というものは、そもそもありえないんでしょうかね? 帝国データバンクの発表によりますと、2007年の倒産集計報告におきまして、またまた法令違反を原因とする倒産企業の数が急増した、とのことであります。(朝日新聞ニュースはこちら)ちょうど1年前に、こちらのエントリーにて、そもそも(法令違反よりも先に)経営が苦しくなったから不祥事に手を染めたのではないか、といった疑問や、不祥事がみつかりやすくなってきた社会情勢に起因するのではないかといった推測から、この報告には若干懐疑的であったわけですが、一般の倒産件数に比べて、圧倒的に伸び率が高いことや、この1年間の食品偽装→破産、民事再生といった報道内容などを顧みますと、たしかに法令違反(コンプライアンス違反)が法人の継続性に影響を与えているところは無視できないようにも思えてきました。なお、以下の表における法令違反に起因する倒産企業数は負債1億円以上のものに限ります。 上記朝日新聞ニュースにもありますように、企業の法令違反行為が発覚することで、CSR調達のように顧客から取引を打ち切られるケースもあり、また反社会的勢力との取引排除に代表されるように、金融機関からの融資継続の条件として法令違反行為の排除が要求されるなど、ビジネスの環境としてコンプライアンスが経営の命運を分ける場面も実際に増えているんじゃないでしょうか。さらに、上場企業の場合ですと監査の厳格化や内部通報制度の充実などによって、(昨年の推測どおり)そもそも法令違反が発覚しやすい土壌が次第に形成されてきたこともあるように思います。しかし、このまま倒産件数が漸増する傾向が続きますと、コンプライアンス不況なる情勢も現実味を帯びてくるようで、少し怖い気がします。 法令違反が世間に発覚する端緒として「内部告発」が圧倒的に多いことは皆様すでにご承知のことと拝察いたしますが、こういった内部告発に対して企業が真剣に向き合うための有益な資料としまして、内閣府国民生活局公益通報者保護制度ウェブサイトにて、公益通報関係裁判例集の作成検討会報告書(2年ぶりの改訂版)がリリースされているのをご存知でしょうか?(この報告書はたいへん参考になるところであります)多くの内部告発がマスコミに対して発信されている現実が集計結果として認識できますが、民間企業における内部通報制度の充実に向けた提言がなされているところも注目されます。とくに24ページから25ページあたりにおきまして、各企業が内部通報制度を整備し、かつ適正な運用を行う上で必要な点についての整理がなされておりますので、ここだけでも必見かと思います。内部通報制度が整備され、従業員に(通報制度自体が)信頼されているときには、内部通報を経ない外部通報を抑止できる可能性が高い、ということが様々な裁判例を検討した結果として提言されております。内部告発が命取りになる前に、自社のヘルプラインの運用改善のためにこういった良質な資料を活用されてはいかがでしょうか。 今週の放電塔・・・リーマンさんと丸紅さんとの紛議を見る視点にもう少しツッコミを(苦笑):「放電塔(法務版)」とか創設を検討していただけないかと(爆) (法務の国のろじゃあ) これはリーマンさんと丸紅さんとの紛議の余波?なのかな・・・ファイティング・ブル・インベストメント社の社債償還についての疑義(メディカジャパン社さんによるリリースより) (法務の国のろじゃあ) |
[ 433] 企業法務戦士の雑感
[引用サイト] http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/
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日経夕刊・火曜日のコラムをお茶の水女子大名誉教授の篠塚英子氏が執筆されているのだが、この篠塚氏、最近法テラス関係のお仕事に就かれたようで、毎回法律関係のネタが多い。 「20年も前、労働法の大先生にお願いし『雇用均等時代の経営と労働』で共編者になっていただいた。大先生の原稿を入手して仰天。二ページ相当の原稿数枚が「、」だけで延々と続く。法律では簡単に文中に「。」を入れないらしい。」 確かにこの業界、悪文書きが多いのは事実だけども(筆者ももちろん例外ではない)、一方で明快簡潔な文章を書かれる人もたくさんいるわけで、これが「法律の世界の慣習」と言われてしまうと、ちょっとどうかなぁ・・・と思う。 もちろん、原則の例外だとか、反対利益だとか細かいことをいろいろ考えていくと、一文に盛り込む情報量が増えてくるのも事実なのだが、それでも文章を簡潔に見せるテクニックというのはあるわけで、悪文=法律の世界の常識というわけではないだろう。 なお、シンプルさを重視しすぎて、奥に潜む様々なプラスマイナスが忘れ去られがちな議論が目立つ昨今(一連の司法制度改革なんてまさにその典型だ)、少々の「悪文」でも細かいところ配慮した言説の方が、世の中にとって得るところが多いように思えるのだが、それは世間においては「非常識」なのだろうか? と誰かが昔言ってた。その言葉の意味が、なんとなく分かるようになってきた今日この頃である・・・。 さっさと「故障者リスト」入りして、夏あたりまでバカンス決め込みたい気分ではあるのだが、それをさせないのはちっぽけな責任感か、あるいは、軋轢を避けようとする内なる小市民的発想か・・・。 自分がいなくなったらどうなっちゃうんだろう・・・と思っても、いざそうなってみれば、他の誰かがいつのまにかそこに入って、何となく仕事が回っていく。 *1:「ひどくムズい」の短縮形が転じて、どうしようもなく過大なミッションにあえぐことの意として業界で用いられていたw 中山信弘・前東大教授の数々の功績の中でも、ある種象徴的な存在となっているこの研究会から、10年ぶりに「知的財産権研究」(第5巻)が出版されるようである。 第4巻から実に10年のブランクを経て出版される今回の「知的財産権研究」の目次*1を見ると、「ときめきメモリアル」「FM信号復調機」といった今世紀初頭に世をにぎわせた最高裁判決から、「インクカートリッジ」、「まねきTV」というここ1,2年のホットトピックまで、まさにこの10年を象徴するかのような判決を素材とした論稿が並んでいる。 *2:ちょうど10年前、筆者が大学を出てきた頃はまだ、小教室で「無体財産権法」が細々と講義されていただけだった、はずである。筆者自身、その存在を知ることもなくスルーしていた学生の一人であったのは言うまでもあるまい。 *3:以前のシリーズでは実務家が中心の執筆陣構成だったと記憶しているが、第5巻にはこれからの時代を担う若手研究者の先生方のお名前も多数連なっている。このあたりにも時代の変化が顕れているのかもしれない。 総務省・経済産業省・文化庁の「三すくみ」状態や、権利者団体・メーカー間の「ボタンの掛け違い」、メーカー間の足並みの乱れ等、様々な見地から興味深い解説が付されている*1。 「6月2日」という当初予定されていたリミットに辻褄を合わせるのが不可能になった今、もはやなるようにしかならないのだろうが、昨今の情勢を眺める中で非常に残念なのは、聞こえてくる(&メディアで取り上げられる)のが、権利者団体とメーカー(というかJEITA)の叫び声ばかりで、本来録音録画補償金の「支払義務者」である「消費者」の意見が、議論にほとんど反映されていないように思われることだ。 「協力義務」を負うに過ぎないメーカーが実質的な補償金支払当事者になっている現状を鑑みればこの構図もやむを得ないというべきなのかもしれないし、メーカーが権利者サイドのヒステリックな要求に抗するための「盾」となってくれている、と考えれば、消費者側としてもむしろ感謝しなければならないのかもしれないが(苦笑)、このまま行けば、補償金導入時と同様に“政治的妥協”の産物として、体系的な議論を置き去りにしたまま補償金制度がズルズルと残存してしまう可能性も高いわけで、(補償金制度に対する賛否如何にかかわらず)あまり褒められた話ではない。 それゆえ、権利者団体が譲歩を拒むのであれば、審議会の方でもう少しバランスの良い「未来地図」が描かれるまで、メーカーには粘っていて欲しいものだと思うのであるが、果たしてどうなることやら。 大外からの差し脚は豪快だったし、鞍上の四位騎手の余裕のコメントを聞いていると、まだまだこの先期待できそうな気がする。 皐月賞上位組が伸び悩む中、巻き返したスマイルジャックとブラックシェルが2,3着で、先週に引き続き、ワイドも馬連も「何でこんなに高配当?」といった感じの結果となった。 最近はダイジェストしか見てないし、宝塚までは「見てるだけ」と割り切っているのだけど、血統も騎手もこれといった決め手のない混迷の競馬界。勝負勘を鍛えるには格好の舞台だけに、ちょっと勿体ない気がする今日この頃。 相変わらず足元をふらつかせつつ、不安定な更新状態で推移していたのだが、月末に来て「ダビング10」絡みのエントリーが続いたことや、「CAS裁定」関係のエントリーを人気スポーツサイトの掲示板のコメント欄で取り上げていただいたこともあって*1、新しいお客様がたくさん訪れてくださったようである。 最近では、「TopHatenar」なるサービスも登場しているようで、改めて自分のブログを見ると、ずいぶんたくさんブクマいただいているんだなぁ・・・とささやかな感動を味わっているのであるが*2、各種判決にしても政策論にしても豊富なネタを生かし切れていない今日この頃。ほんの少しでも読者の皆様のお役に立てるよう精進したい。 新入社員が配属に際して職場に決意表明を要求されているのか? あるいは管理職社員の年度初の目標設定のネタ探しか・・・? などといろいろ想像してしまう。 上場企業の法務の人間にとっては言わずもがな。そうでない会社でも、上から下まで首が飛ぶ泣き笑いで人が動き、引き継ぎだの何だので年度替わり早々バタバタする季節。 *1:今日のナビスコ杯で我那覇選手は見事1ゴールを決めたようである。名誉回復を受けての今季の活躍に期待したい(除くジェフ戦)。 「コカ・コーラの瓶の形状が立体商標として登録が認められるかどうか争われた訴訟の判決で、知的財産高裁は29日、「瓶の形状自体がブランド・シンボルとして認識されている」などとして米コカ・コーラ社の訴えを認め、登録を認めなかった特許庁の審決を取り消した。同庁によると、容器の立体商標が国内で認められたのは初めて。」(日本経済新聞2008年5月30日付朝刊・第42面) 記事を読む限り、商標法3条2項該当性(使用に基づく識別性獲得)が肯定されて登録に至ったようであるが、これまでも「角瓶」や、ヤクルトの容器がことごとくはじかれていたことを考えると、結論としては“画期的な”判断ということになるのだろう。 なお、個人的には、記事に載っている瓶の形を見ただけでは「コカ・コーラ」という会社名は思い浮かばなかったのであるが、その辺は判決を見てのお楽しみ・・・ということになろうか。 侵害判断と違って、登録の可否の判断にはある程度の一貫性が求められるだけに、説得力のある理屈がどの程度語られているか、が、判決の評価を分けることになるのだろう、と思う。 |
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